キプロスの至宝・コマンダリア

「王のワイン、そしてワインの王」~クレオパトラも愛した、至極の甘味の世界!!

キプロス コマンダリア 
キプロス コマンダリア 
キプロスの至宝・コマンダリア
キプロスの至宝・コマンダリア
魅惑のコマンダリア
魅惑のコマンダリア

          コマンダリ (Commandaria)

 キプロス・リマソール・トロードス山麓でも14村でのみアペラシオンが認められる、琥珀色をした甘口のデザートワインです。収穫したブドウを天日干しして糖度を高めるため、アルコール度数は15度以上に達します。

この醸造法については紀元前8世紀の古文献にも見られ、12世紀の十字軍の時代にはすでにコマンダリアの名前を冠していたため、現存するワインの中では世界最古と言われています。

 

 コマンダリアの歴史は、美神アフロディーテを祝うためワインを飲む習慣を持っていた古代ギリシャ時代にまで遡る事ができます。

キプロスの天日干ししたブドウから作るワインに関するもっとも古い記述は、紀元前800年のギリシャ語の詩 (Hesiod/Cypriot Manna) 。

 

 12世紀、イングランド王リチャード1世、別名「獅子心(Richard the Lionheart)」はキプロスで結婚披露宴を催した際、このキプロスワインをいたく気に入り、

「王のワイン、そしてワインの王」と讃えたと言われています。この時代にキプロスは他の諸侯 (テンプル騎士団など) に売却されましたが、リマソール近郊のワイン生産地だけは手放さなかったといいます。

 

 13世紀に入り、フランス王フィリップ2世 (尊厳王) は世界初のワインテイスティング大会を開催。フランスおよびヨーロッパ各国から集められたワインのうち、最優秀に輝いたのはキプロスワインでした (コマンダリアであろうと信じられています)。

 

また、オスマントルコがキプロスを侵略したのは、唯一コマンダリアが目的であると言われています。

 

 ストローワインのひとつでもあるコマンダリアは、キプロス固有のマブロ種とジニステリ種の完熟ブドウで作られます。それぞれ糖度を高めてから収穫され、さらに天日干しで糖度を高めます。その後発酵させ、アルコールが15%位に達した頃合で、ブドウ由来のスピリッツで酒精強化しワインに糖度を残します。全てが天然由来の甘味です。

 

コマンダリアと呼ぶことができるのは、リマソールの指定された14村でのみ、

さらに樫樽に最低4年以上寝かされたワインであると法律に定められています。

  

 コマンダリアはEU、アメリカ、カナダで原産地呼称保護 (PDO) に登録されています。14村はトロードス山麓の標高500~900mに広がる Ayios Yeorgios, Ayios Constantinos, Ayios Mamas, Ayios Pavlos, Apsiou, Yerasa, Doros, Zoopiyi, Kalo Chorio, Kapilio, Lania, Louvaras, Monagri, Sylikou 。

 

なお、キプロスワイン生産組合は、オーストリア・リーデル社のワイングラスをコマンダリア公式ワイングラスに選定しました。